所得税はどんな税金なのか
導入
所得税は、身近な税金の一つです。
会社員なら、毎月の給料から源泉徴収されます。個人事業主や副業の収入がある人なら、確定申告で意識することもあります。
ただ、国のお金として見ると、所得税は「給料から引かれる税金」だけでは少し狭い見方になります。
この記事では、所得税を国の税収の中でどのくらい大きい税金なのか、源泉所得税と申告所得税がどう違うのかという順番で見ていきます。
最初に気になったこと
最初に気になったのは、所得税という一つの名前の中に、いくつかの見方が入っていることです。
給料から天引きされる税金として見ると、所得税は毎月の手取りに関係する税金です。
一方で、国の税収として見ると、所得税は消費税や法人税と並ぶ大きな税目の一つです。
さらに資料を見ると、所得税は源泉所得税と申告所得税に分けて示されます。
同じ所得税でも、納め方や集計のされ方を分けて見る必要があります。
まず確認する資料
今回確認したのは、財務省の「令和8年度租税及び印紙収入概算」です。
この資料では、令和8年度予算の一般会計分について、所得税、法人税、消費税などの税目別収入が億円単位で示されています。
あわせて、財務省の「所得税など(個人所得課税)」と「個人所得課税に関する基本的な資料」も確認しました。
制度の説明では、所得税は個人の所得に対してかかる税であり、所得の種類や控除を踏まえて税額を計算する仕組みとして整理されています。
数字で見るポイント
財務省「令和8年度租税及び印紙収入概算」によると、令和8年度予算の一般会計分で、租税及び印紙収入の合計は83兆7,350億円です。
このうち所得税は25兆3,250億円です。兆円で見ると、約25.3兆円です。
割合にすると、租税及び印紙収入全体の約30.2%です。ざっくり言えば、国の一般会計の税収のうち、約3割が所得税という見え方になります。
内訳を見ると、源泉所得税は20兆6,040億円、申告所得税は4兆7,210億円です。
所得税全体の中では、源泉所得税が約81.4%、申告所得税が約18.6%です。
この数字を見ると、所得税の中でも、給料や報酬などからあらかじめ徴収される源泉所得税の比重がかなり大きいことが分かります。
仕組みを整理する
所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。
ただし、所得といっても一種類ではありません。給与所得、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得など、性質の違う所得があり、それぞれ計算の仕方が分かれます。
会社員の給与では、会社が給与から所得税を差し引き、国に納める源泉徴収の仕組みがあります。年末調整で、1年分の給与や控除を踏まえて税額を調整します。
一方で、事業所得や複数の収入がある場合などは、確定申告によって所得と税額を計算し、申告所得税として整理される部分があります。
ここで気をつけたいのは、源泉所得税と申告所得税は「別の税金」というより、所得税の集計上の分け方として見る方が自然だということです。
所得税を見るときは、税目としての所得税全体と、納め方に近い源泉・申告の区分を分けて考えると読みやすくなります。
比較
JM-004では、税収全体の中で所得税、法人税、消費税が大きな柱として出てきました。
令和8年度予算の一般会計分で見ると、所得税は約25.3兆円、法人税は約20.7兆円、消費税は約26.7兆円です。
この三つを並べると、所得税は国の税収の中でかなり大きな位置にあります。
法人税は会社の所得にかかる税、消費税は消費に広くかかる税です。所得税は個人の所得にかかる税です。
同じ税収でも、誰のどんな経済活動にかかっているのかが違います。
他の記事とのつながり
所得税を見ると、JM-004の税収全体の記事で見た「税目ごとの違い」が少し具体的になります。
JM-006の法人税と比べると、個人の所得と会社の所得を分けて見る意味が分かります。
JM-005の消費税と比べると、所得にかかる税と消費にかかる税の違いが見えてきます。
税収全体を読むには、金額の大きさだけでなく、課税される対象の違いも一緒に見る必要があります。
調べて分かったこと
所得税は、毎月の給料から引かれる身近な税金です。
でも、国の一般会計分の税収として見ると、令和8年度予算で約25.3兆円、租税及び印紙収入の約30.2%を占める大きな税目です。
さらに、所得税の中では源泉所得税の比重が大きく、令和8年度予算では所得税全体の約81.4%でした。
所得税を「給料から引かれる税金」として見るのは間違いではありません。ただ、それだけでは、申告所得税や国の税収の中での大きさが見えにくくなります。
筆者の感想
所得税は、家計の手取りに近いところで見てしまいがちな税金です。
でも国の資料で見ると、かなり大きな税収の柱です。
源泉所得税と申告所得税に分けて見ると、同じ所得税でも、毎月の給与、確定申告、国の税収という複数の面があることが分かります。
税金の話は、家計から見た感覚と、国の予算から見た位置づけを行き来すると、少し立体的に見えてきます。
次に読む記事
所得税の位置をもう一度大きく見るなら、税収全体を扱ったJM-004に戻ると整理しやすくなります。
法人税や消費税と並べると、国の税収がどんな種類の税で支えられているのかも見えてきます。


コメント