国と地方のお金の役割はどう違うのか
導入
国の予算を見ていると、日本のお金の全体像が見えてくるように感じます。
でも、生活に近いサービスは、国の一般会計だけでは見えきりません。
子ども・子育て、介護、障害福祉、教育、公共事業、防災などは、地方自治体が実施する部分も大きいからです。
国は制度や財源を支え、地方は住民に近いところでサービスを担います。
この記事では、地方交付税交付金、国庫支出金、地方税、地方債を入口にして、国と地方のお金の役割を整理します。
最初に気になったこと
最初に気になったのは、国の予算に出てくる支出と、実際に身近で受けるサービスの場所がずれることです。
たとえば、子ども・子育てや介護、障害福祉、教育は、国の制度や補助金だけで動いているわけではありません。
自治体の窓口、学校、保育所、介護サービス、福祉サービスなど、生活に近い場所で実施されます。
その財源には、地方税、地方交付税交付金、国庫支出金、地方債などが関係します。
国の一般会計だけを見ると、国から地方へ渡るお金は見えても、地方側でどう使われるかまでは見えにくいです。
まずは、国と地方の役割を分けて確認します。
まず確認する資料
今回確認したのは、財務省の「令和8年度一般会計歳入歳出概算」と「令和8年度総務・地方財政、財務係関係予算のポイント」です。
一般会計歳入歳出概算では、国の一般会計の主要経費として、地方交付税交付金等を確認できます。
総務・地方財政、財務係関係予算のポイントでは、令和8年度地方財政対策の概要として、地方財政収支見通し、地方税・地方譲与税、地方交付税、国庫支出金、地方債に関わる数字を確認できます。
総務省の地方財政計画や地方財政白書は、地方財政全体を詳しく見るための手がかりになります。
この記事では、地方財政全体を広げすぎず、これまでの記事で出てきた生活に近いサービスと国・地方の役割の違いを整理します。
数字で見るポイント
財務省「令和8年度一般会計歳入歳出概算」によると、令和8年度予算の国の一般会計で、地方交付税交付金等は20兆8,778億円です。
これは令和8年度予算、国の一般会計、予算ベース、元資料では単位は億円の数字です。
同じ資料では、一般会計歳出総額は122兆3,092億円です。
地方交付税交付金等は、一般会計歳出総額の約17.1%です。
一方、財務省「令和8年度総務・地方財政、財務係関係予算のポイント」では、令和8年度地方財政対策の概要として、歳入・歳出総額102.4兆円、地方税・地方譲与税45.5兆円、地方交付税20.2兆円、国庫支出金28.0兆円、地方債1.0兆円が示されています。
ここで見ているのは、令和8年度地方財政対策の地方財政収支見通しで、単位は兆円の数字です。
国の一般会計に出てくる地方交付税交付金等と、地方財政計画側に出てくる地方税、国庫支出金、地方債は、同じ範囲の数字ではありません。
国から見た支出と、地方全体で見た歳入・歳出を分けて読む必要があります。
仕組みを整理する
国と地方のお金の役割は、財源と実施の場所で分けると見やすくなります。
地方税は、自治体が地域で集める税です。
住民税、固定資産税、地方消費税などが含まれます。
地方交付税交付金は、地域によって税収に差がある中で、自治体が一定の行政サービスを行えるように財源を調整する仕組みです。
国庫支出金は、国が使い道を定めて地方に支出するお金です。
子ども・子育て、福祉、教育、公共事業など、国の制度と地方の実施が組み合わさる分野で出てきます。
地方債は、自治体が資金を調達するために発行する借入です。
道路、学校、公共施設など、将来にわたって使われるものに関係することがあります。
国は制度設計や財源の一部を担い、地方は住民に近いところでサービスを実施します。
この分担があるため、国の一般会計だけでは、生活に近い支出の全体像は見えにくくなります。
比較
JM-018で見た地方交付税交付金は、国から地方へ渡るお金の一つです。
ただし、地方のお金は地方交付税交付金だけではありません。
地方税、国庫支出金、地方債もあります。
JM-015の子ども・子育て、JM-014の介護、JM-017の障害福祉、JM-020の教育は、どれも生活に近いサービスです。
国の予算資料では、国がどれだけ負担するかが見えます。
地方の資料では、自治体がどう実施し、どの財源を組み合わせているかが見えます。
同じサービスでも、国の資料と地方の資料では見える面が違います。
他の記事とのつながり
国と地方の役割は、社会保障の記事ともつながります。
介護や障害福祉は、国、地方、保険料、利用者負担が組み合わさることがあります。
子ども・子育てや教育は、国の補助や地方の独自施策が重なります。
公共事業も、国直轄事業と地方自治体の事業で見え方が変わります。
これまでの記事で出てきた政策分野を読み直すときは、国の一般会計だけでなく、地方側の財源と実施主体も確認したいです。
調べて分かったこと
国の一般会計だけでは、生活に近いサービスのお金は見えきりません。
令和8年度予算の国の一般会計では、地方交付税交付金等は20兆8,778億円です。
同じ資料の一般会計歳出総額122兆3,092億円に対して、約17.1%です。
一方、令和8年度地方財政対策の概要では、地方財政収支見通しとして、歳入・歳出総額102.4兆円、地方税・地方譲与税45.5兆円、地方交付税20.2兆円、国庫支出金28.0兆円、地方債1.0兆円が示されています。
国から地方へ渡るお金と、地方全体の歳入・歳出は、別の角度から見る数字です。
子ども・子育て、介護、障害福祉、教育、公共事業のような生活に近いサービスは、国と地方の両方を見て初めて輪郭が見えると分かりました。
筆者の感想
国の予算を見ていると、ついそれだけで全体を見た気になります。
でも、実際に暮らしの中で接するサービスは、自治体を通じて提供されることが多いです。
地方交付税交付金等、国庫支出金、地方税、地方債という言葉を分けると、国と地方の関係が少し見えます。
国が制度や財源を支え、地方が実施する。
その間に財源調整や補助金がある。
生活に近いお金を考えるときは、国の一般会計で止まらず、地方側の資料にも目を向けたいです。
次に読む記事
地方交付税交付金の記事を読むと、国から地方へ財源を移す仕組みが整理しやすくなります。
子ども・子育て、介護、障害福祉、教育の記事を読むと、生活に近いサービスが国と地方の両方で支えられていることも見えてきます。


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