その他の税には何があるのか
導入
税収を見るとき、所得税、法人税、消費税の三つに目が行きます。
実際、この三つは国の一般会計分の税収の中でかなり大きな割合を占めています。
ただ、税収はこの三つだけではありません。酒税、たばこ税、揮発油税、関税、印紙収入など、名前は知っていても普段はまとめて見過ごしやすい税や収入があります。
この記事では、「その他」とまとめると見えなくなる税収の中身を確認します。
最初に気になったこと
最初に気になったのは、「その他の税」と言った瞬間に、細かい残り物のように見えてしまうことです。
でも資料を見ると、その他に分類される税の中には、特定の商品、取引、輸入、契約書類、資産移転に関係するものがあります。
つまり、金額の大小だけでなく、何に税がかかっているのかを見ると、税収の地図が少し細かくなります。
所得税、法人税、消費税だけでは、税の性格の違いを見落としやすいです。
まず確認する資料
今回確認したのは、財務省の「令和8年度租税及び印紙収入概算」です。
この資料は、令和8年度予算の一般会計分について、税目別の収入見込みを億円単位で示しています。
所得税、法人税、消費税のほか、相続税、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、自動車重量税、関税、印紙収入なども確認できます。
この記事では、税目をすべて細かく説明するのではなく、主要三税以外にもいくつかの種類があることを押さえます。
数字で見るポイント
財務省「令和8年度租税及び印紙収入概算」によると、令和8年度予算の一般会計分で、租税及び印紙収入の合計は83兆7,350億円です。
このうち、所得税は25兆3,250億円、法人税は20兆6,960億円、消費税は26兆6,880億円です。
この三つを合わせると72兆7,090億円です。租税及び印紙収入全体の約86.8%になります。
逆に見ると、主要三税以外の税や印紙収入は11兆260億円、約11.0兆円です。割合では約13.2%です。
その中には、相続税3兆8,180億円、酒税1兆1,470億円、印紙収入1兆800億円、たばこ税9,760億円、揮発油税9,720億円、関税9,030億円などがあります。
一つ一つは主要三税ほど大きくなくても、合計すると無視できない規模になります。
仕組みを整理する
その他の税を見るときは、税目を細かく暗記するより、何にかかっている税なのかで分けると読みやすくなります。
酒税やたばこ税は、特定の商品にかかる税です。日々の買い物の中に含まれますが、消費税とは別の税目です。
揮発油税や石油石炭税は、燃料やエネルギーに関係する税です。家計からは見えにくくても、物流や移動、エネルギー価格とつながります。
関税は、輸入される貨物に関係する税です。国内の消費だけでなく、貿易とも結びつきます。
印紙収入は、契約書や領収書など、一定の文書に関係する収入です。商品や所得とは違う入り方をします。
相続税は、資産の移転にかかる税です。JM-007で見たように、所得や消費とは違う場面で関係します。
「その他」とまとめられた中にも、消費、資産、エネルギー、貿易、文書といった違う性格が混ざっています。
比較
所得税は個人の所得、法人税は会社の所得、消費税は消費に広くかかる税です。
これに対して、酒税やたばこ税は特定の商品、揮発油税は燃料、関税は輸入、印紙収入は文書というように、かなり対象が絞られています。
金額だけで見ると、主要三税が中心です。
でも税の性格を見ると、その他の税は「どの活動や商品に税をかけているのか」を知る手がかりになります。
税収の地図を読むには、大きな柱と、周辺にある税目の両方を見る必要があります。
他の記事とのつながり
JM-004では、税収全体の大きな構成を見ました。
JM-005、JM-006、JM-012では、消費税、法人税、所得税という大きな税目をそれぞれ見ます。
JM-007の相続税は、主要三税以外の中でも、資産移転に関係する税として位置づけられます。
この記事は、それらをつなぐために、主要三税の外側にある税目を整理する役割です。
調べて分かったこと
令和8年度予算の一般会計分で見ると、所得税、法人税、消費税の三つで、租税及び印紙収入の約86.8%を占めます。
そのため、税収の大きな流れを知るには、まずこの三つを見るのが自然です。
ただし、残りの約13.2%にも、相続税、酒税、たばこ税、揮発油税、関税、印紙収入などがあります。
これらは金額の大きさだけでなく、税がかかる対象の違いを教えてくれます。
「その他」と一括りにせず、中にどんな税が入っているのかを少し見るだけで、税収の見え方は変わります。
筆者の感想
税収の話は、大きな三つの税に集中しがちです。
でも資料を見ていくと、「その他」に入っている税の方が、生活の具体的な場面を思い出しやすいこともあります。
酒、たばこ、ガソリン、輸入品、契約書。こうしたものに関わる税を並べると、国の税収は一つの仕組みではなく、いろいろな入口の集まりだと分かります。
金額の大きさと、税がかかる場面。この二つを分けて見ると、税収の地図が少し読みやすくなりました。
次に読む記事
税収全体の大きさを確認するなら、JM-004に戻ると流れが見えます。
所得税、法人税、消費税と並べて読むと、主要三税とその他の税の違いが整理しやすくなります。


コメント