補正予算とは何か
導入
補正予算という言葉を聞くと、年度途中に追加でお金を使う話だと思いやすいです。
災害、物価高、経済対策、エネルギー価格への対応など、ニュースでは急いで支出を増やす場面でよく出てきます。
ただ、補正予算は「追加で使うお金」というだけではありません。
当初予算を組んだあとに、必要になった歳出や財源を、国会に出し直して予算として組み替える仕組みです。
この記事では、令和8年度一般会計補正予算第1号を例に、当初予算、補正予算、補正後予算の違いを整理します。
最初に気になったこと
最初に気になったのは、当初予算があるのに、なぜ補正予算が必要になるのかです。
国の予算は、年度が始まる前に当初予算として組まれます。
でも年度の途中で、物価や災害、国際情勢、経済対策など、当初予算を作った時点では見込みきれなかった事情が出てくることがあります。
そのときに、必要な歳出を追加したり、財源を組み直したりするのが補正予算です。
一方で、補正予算で増える分野だけを見ていると、制度上の位置づけが見えにくくなります。
防衛、公共事業、エネルギー、基金などは補正予算で動くことがあります。
ただし、この記事では個別分野の深掘りよりも、当初予算との違いと、補正後に予算全体がどう見えるかを優先して確認します。
まず確認する資料
今回確認したのは、財務省の「令和8年度予算」ページ、「令和8年度一般会計補正予算(第1号)フレーム」、「令和8年度一般会計補正予算(第1号)の概要」、「令和8年度補正後予算フレーム」です。
財務省の令和8年度予算ページでは、令和8年6月3日に補正予算案が閣議決定され、令和8年6月5日に補正予算が成立したことを確認できます。
令和8年度一般会計補正予算第1号フレームでは、補正で追加される歳出と、その財源を確認できます。
令和8年度補正後予算フレームでは、当初予算から補正後予算へ、歳出総額や公債金がどう変わったかを確認できます。
この記事では、令和8年度予算、国の一般会計、補正予算第1号、予算ベースの数字に範囲を絞ります。
数字で見るポイント
財務省「令和8年度一般会計補正予算(第1号)フレーム」によると、令和8年度補正予算第1号の国の一般会計では、歳出と歳入の合計は3兆1,135億円です。
元資料では単位は億円で、予算ベースの数字です。
歳出側では、重点支援地方交付金が1,000億円、今後への万全の備えが3兆135億円です。
今後への万全の備えの内訳として、一般予備費が5,135億円、中東情勢等対応予備費が2兆5,000億円と示されています。
歳入側では、公債金、具体的には特例公債が3兆1,135億円です。
財務省「令和8年度補正後予算フレーム」によると、令和8年度の国の一般会計歳出計は、当初予算の122兆3,092億円から、補正後は125兆4,228億円になります。
同じ資料では、公債金は当初予算の29兆5,840億円から、補正後は32兆6,975億円になります。
基礎的財政収支は、当初予算の1兆3,429億円から、補正後はマイナス1兆7,706億円に変わります。
補正予算を見るときは、追加された3兆1,135億円だけでなく、当初予算と補正後予算のどちらを見ているのかを分ける必要があります。
仕組みを整理する
当初予算は、年度の基本となる予算です。
年度が始まる前に、歳入と歳出の見込みを組みます。
補正予算は、そのあとに生じた事情に応じて、年度途中に予算を変える仕組みです。
追加歳出だけでなく、歳入側の財源もセットで示されます。
たとえば令和8年度一般会計補正予算第1号では、歳出3兆1,135億円に対して、歳入側では特例公債3兆1,135億円が示されています。
このため、補正予算を見るときは、何に使うかだけでなく、どう財源をまかなうかも見ます。
補正後予算は、当初予算に補正予算を反映したあとの予算です。
「当初予算と補正予算を足す」と言う場合も、年度、会計、資料名、予算ベースか決算ベースかを確認しないと、別の範囲の数字を混ぜてしまうことがあります。
比較
JM-002で見た一般会計は、国の基本的な予算の入口です。
補正予算も、一般会計なら一般会計の中で、特別会計なら特別会計の中で組まれます。
JM-030で見た財政赤字とも関係します。
補正予算で歳出が増え、その財源を公債金でまかなう場合、公債金や基礎的財政収支にも影響が出ます。
令和8年度補正後予算フレームでは、当初予算から補正後予算へ、公債金と基礎的財政収支の数字が変わっています。
補正予算は、支出の話だけではなく、財政赤字や国債発行の話ともつながります。
他の記事とのつながり
補正予算は、防衛、公共事業、エネルギー、基金などの分野で目にすることがあります。
ただし、個別分野の補正額だけを見ると、当初予算と補正予算の違いが見えにくくなります。
基金については、補正予算でまとまったお金が積まれることもあります。
予備費については、補正予算と同じく年度途中の対応に関わりますが、仕組みは別です。
補正予算は、国会に提出され、予算として成立する手続きです。
予備費は、あらかじめ予算に設けられた枠から、予見しがたい不足に対応する仕組みです。
調べて分かったこと
補正予算は、追加で使うお金というだけではありません。
当初予算を作ったあとに生じた事情に応じて、歳出と財源を組み直す仕組みです。
令和8年度一般会計補正予算第1号では、国の一般会計、予算ベースで、歳出と歳入の合計は3兆1,135億円です。
歳出側では、重点支援地方交付金1,000億円、今後への万全の備え3兆135億円が示されています。
歳入側では、特例公債3兆1,135億円が示されています。
当初予算と補正予算を合わせて見るときは、令和8年度補正後予算フレームのように、補正後の数字として確認する方が整理しやすいと分かりました。
筆者の感想
補正予算は、最初は「足りなくなったから足す予算」くらいに見えていました。
でも資料を見てみると、歳出の追加と財源の組み直しが一緒に出てきます。
令和8年度補正予算第1号では、補正額3兆1,135億円と同額の特例公債が歳入側に置かれています。
その結果、補正後予算フレームでは、公債金や基礎的財政収支も変わっています。
補正予算を見るときは、何に使うかだけでなく、当初予算から補正後予算へ、全体の見え方がどう変わったかを確認したいです。
次に読む記事
補正予算と似て見えやすい仕組みに、予備費があります。
年度途中の対応という点では近いですが、国会で予算として組み直す補正予算と、あらかじめ設けた枠から使う予備費は分けて見た方がよさそうです。


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