デジタルのお金は何に使われるのか
導入
デジタルのお金というと、マイナンバーカードや行政手続きのオンライン化を思い浮かべます。
画面で使うサービスの話に見えるので、アプリやサイトを作る費用のようにも感じます。
でも予算資料を見てみると、デジタル関連のお金は、デジタル庁が自分で使う分だけではありません。
各府省の情報システム関係予算をデジタル庁に一括計上し、デジタル庁がプロジェクト監理を行う仕組みもあります。
この記事では、デジタル庁予算と情報システム関係予算を分けて、行政デジタル化のお金が何に使われるのかを整理します。
最初に気になったこと
最初に気になったのは、「デジタル化」という言葉の範囲が広すぎることです。
マイナンバーカード、マイナポータル、ガバメントクラウド、各府省の業務システム、自治体DX、サイバーセキュリティなど、いろいろなものが入ってきます。
これらをまとめて「デジタルのお金」と見ると、どの資料のどの範囲なのかが分かりにくくなります。
まずは、令和8年度予算でデジタル庁に計上されている金額と、その中の情報システム関係予算を確認します。
まず確認する資料
今回確認したのは、財務省の「令和8年度一般会計歳入歳出概算」と「令和8年度内閣、デジタル、復興、外務・経済協力係関係予算のポイント」です。
一般会計歳入歳出概算では、令和8年度予算の国の一般会計における所管別内訳として、デジタル庁を確認できます。
内閣、デジタル、復興、外務・経済協力係関係予算のポイントでは、デジタル庁予算、情報システム関係予算、デジタル庁システム等、各府省システム等を確認できます。
行政事業レビューは、個別システムの事業内容を見るための手がかりになります。
総務省資料は、自治体DXや地方公共団体のシステム標準化を見るための手がかりになります。
数字で見るポイント
財務省「令和8年度一般会計歳入歳出概算」によると、令和8年度予算の国の一般会計歳出総額は122兆3,092億円です。
同じ資料の所管別内訳では、デジタル庁は5,198億円です。
一般会計歳出総額に対する割合は、約0.4%です。
財務省「令和8年度内閣、デジタル、復興、外務・経済協力係関係予算のポイント(概要)」では、令和8年度予算政府案として、デジタル庁に5,198億円を計上するとされています。
同じ資料では、情報システム関係予算の一括計上は4,990億円です。
そのうち、デジタル庁が自ら整備・運用するシステムの経費は1,302億円です。
財務省「令和8年度内閣、デジタル、復興、外務・経済協力係関係予算のポイント」では、各府省システム等は3,689億円と示されています。
ここで見ているのは、令和8年度予算、国の一般会計、デジタル庁に計上されている予算と情報システム関係予算、元資料では単位は億円です。
民間企業のデジタル投資や、地方自治体の全システム費用まで含めた数字ではありません。
仕組みを整理する
デジタル庁予算を見るときは、まずデジタル庁自身の予算と、各府省の情報システム関係予算を分けて見る必要があります。
デジタル庁は、各府省が共通して利用する基盤や機能を整備します。
たとえば、ガバメントソリューションサービス、ガバメントクラウド、マイナポータル、ベースレジストリなどです。
一方で、各府省にはそれぞれの行政分野に必要な個別システムがあります。
それらの整備・運用についても、デジタル庁が一元的なプロジェクト監理を行う形がとられています。
そのため、デジタル庁に計上されている予算は、デジタル庁だけが使うお金というより、政府全体の情報システムを管理する入口として見る必要があります。
マイナンバー関連のお金も、この大きな行政システムの中の一部です。
マイナンバーカード、マイナポータル、次期カード、スマートフォン対応などは目に見えやすいですが、裏側には共通基盤や各府省システムがあります。
比較
JM-018で見た地方交付税交付金等は、地方自治体を支えるお金でした。
デジタルのお金にも、自治体DXや地方公共団体のシステム標準化のように、国と地方が関わる部分があります。
ただし、この記事で数字として確認しているのは、国の一般会計におけるデジタル庁の所管別予算です。
地方自治体側のシステム費用全体ではありません。
JM-023の科学技術とも重なります。
AIや情報通信技術は科学技術の話でもありますが、行政システムの整備・運用は、研究開発費とは違う読み方が必要です。
他の記事とのつながり
デジタルのお金は、科学技術、地方財政、基金の話とつながります。
ただし、本文では「デジタル化」という大きな言葉で範囲を広げすぎないようにします。
まずは、デジタル庁予算、情報システム関係予算、各府省システム等という資料上の範囲を押さえることを優先します。
調べて分かったこと
令和8年度予算の国の一般会計では、所管別内訳でデジタル庁は5,198億円です。
その中で、情報システム関係予算の一括計上は4,990億円です。
さらに、デジタル庁システム等は1,302億円、各府省システム等は3,689億円です。
最初は、デジタルのお金をマイナンバーカードやオンライン手続きの費用として見ていました。
でも資料を読むと、共通基盤、政府クラウド、マイナポータル、ベースレジストリ、各府省の個別システムなど、行政運用全体に関わるお金として見る必要があると分かりました。
筆者の感想
デジタルのお金は、身近なサービスの画面から考えると分かりやすそうに見えます。
でも予算資料では、デジタル庁の所管予算と、各府省システム等を含む一括計上予算が出てきます。
ここを分けないと、デジタル庁が自分のためだけに大きな予算を持っているように見えてしまいます。
実際には、政府全体のシステムをどう整備し、どう運用するかという話がかなり大きいようです。
デジタル化は便利な画面の話だけでなく、行政の裏側の仕組みを支えるお金でもあると感じました。
次に読む記事
科学技術のお金と並べると、研究開発費と行政システム費の違いが見えやすくなります。
国と地方の役割を考えるなら、地方交付税交付金等や自治体DXの資料もあわせて確認したくなります。


コメント