法人税はどれくらい大きい税金なのか。会社が払うだけで見てよいのか
導入
法人税という言葉を聞くと、まず「会社が払う税金」という印象があります。
個人の所得税や、買い物の消費税と比べると、自分の家計からは少し遠く見えます。
でも税収全体の記事で法人税を見てみると、国の一般会計の中でかなり大きな税目でした。そこで今回は、法人税を「会社が払う税」としてだけでなく、国の税収の中でどれくらいの位置にあるのかから見てみます。
最初に気になったこと
最初に気になったのは、法人税の負担を「会社が払う」で終わらせてよいのかという点です。
制度上、法人税を申告して納めるのは法人です。
ただ、会社の利益は、商品やサービスの価格、従業員の賃金、株主への配当、投資判断などとも関係します。
そう考えると、法人税を読むときは、まず法律上の納税者を確認し、そのうえで経済全体への影響は別に考える必要がありそうです。
まず確認する資料
確認したのは、財務省の「令和8年度租税及び印紙収入概算」と「法人課税に関する基本的な資料」です。
税収の金額は、令和8年度予算の国の一般会計分で確認します。決算ではありません。
法人税の仕組みについては、財務省の法人課税資料で、法人税の課税ベースや税率を確認します。
この記事では、国の法人税を中心に扱います。地方法人課税や法人実効税率にも触れますが、地方税収まで合算して税収の割合を出すことはしません。
数字で見るポイント
財務省「令和8年度租税及び印紙収入概算」によると、令和8年度予算の一般会計分の法人税は20兆6,960億円です。
兆円に直すと、約20.7兆円です。
同じ資料の一般会計分計、つまり租税及び印紙収入は83兆7,350億円、約83.7兆円です。
この範囲で法人税の割合を計算すると、約24.7%です。
ざっくり見ると、令和8年度予算の国の一般会計分では、法人税は租税及び印紙収入の約4分の1に近い大きさです。
同じ資料には、防衛特別法人税5,760億円も別の税目として示されています。ここでは、法人税20兆6,960億円を使って割合を見ています。
仕組みを整理する
財務省の法人課税資料では、法人税は、法人の企業活動により得られる所得に対して課される税と説明されています。
法人の所得金額は、益金の額から損金の額を引いた金額です。
かなり簡単に言えば、会社の活動で得た収入から、費用や損失を差し引き、税法上の調整を行った所得に税率をかけて法人税額を計算します。
法人税率について、財務省資料では、普通法人などの税率は23.2%とされています。資本金1億円以下の普通法人などについては、所得の金額のうち年800万円以下の部分に15%の税率が適用される扱いがあります。
ここで見る法人税は国税です。
会社には、地方の法人関係税も関係します。法人実効税率という言葉は、国税と地方税を合わせた法人所得への税負担を見るときに出てきます。
比較
税収全体の記事では、令和8年度予算の一般会計分で、消費税、所得税、法人税が大きな税目として見えました。
法人税は約20.7兆円で、租税及び印紙収入の約24.7%です。
消費税や所得税と比べると、法人税は景気や企業利益の影響を受けやすい税として見られることがあります。
ただ、この記事では景気との関係を決めつけるのではなく、まず国の税収の中での大きさを確認します。
「会社が払う税だから自分には遠い」と考えるより、企業活動を通じて国の収入に大きく関わる税として見た方が、税収全体の地図に置きやすくなります。
他の記事とのつながり
JM-004の税収全体では、法人税を消費税や所得税と並べて見ました。
JM-005の消費税では、消費にかかる税の見方を確認しました。
法人税を見ると、税収は消費だけでなく、企業所得にも大きく支えられていることが分かります。
所得税の記事へ進むと、個人の所得にかかる税との違いも見えやすくなります。
調べて分かったこと
調べる前は、法人税を「会社が払う税」としてだけ見ていました。
資料を確認すると、まず金額の大きさが目に入りました。
令和8年度予算の国の一般会計分では、法人税は約20.7兆円です。租税及び印紙収入の約24.7%で、ざっくり約4分の1に近い大きさでした。
一方で、法人税の仕組みを見ると、法人の所得にかかる税です。会社が法律上の納税者であることは確かですが、それだけで経済的な負担の広がりまで分かったことにはなりません。
法人税は、税収の大きな柱の一つでありながら、会社の利益、投資、賃金、価格などとも関係して考える必要がありそうです。
筆者の感想
法人税は、家計から直接見えにくい税でした。
でも、税収の中で約4分の1に近い大きさがあると見ると、遠い話とは言い切れません。
会社が払う税という入口は分かりやすいです。ただ、そこで止めると、企業活動を通じて社会のいろいろなところに関係する面を見落としそうです。
今回は、まず国の一般会計分の法人税の大きさを確認しました。次に所得税やその他の税を見ると、税収の入口がさらに分かれて見えてきそうです。
次に読む記事
税収全体へ戻るなら、JM-004「日本の税収はどこから来るのか」で、消費税、所得税、法人税を並べて見られます。
所得にかかる税の違いを見たい場合は、所得税の記事へ進むと、個人の所得と法人の所得の見方を分けて確認できます。


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